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施工管理は人手不足が課題となっています。求人はたくさんあるので転職しやすいです。転職先を決める際は、人手不足になっている理由やその解決のための取り組みを把握しておくと参考になります。
建設業界の人手不足の原因と解決のための取り組みを紹介します。
建築業界は、慢性的な人手不足です。住宅着工戸数は、2018年~2020年にかけて感染症の影響があり減少傾向があったものの、2021年以降は回復し、2022年2月まで12ヶ月連続で増加しています。
今後も住宅建築需要は伸びていくとみられています。
2021年の建築技術者の有効求人倍率は、6.01でした。全体平均が1.13のため、5.3倍も高い数字です(※1)。人材ニーズの高さが分かります。
市場は伸びているにもかかわらず、就業人数が比例していないというのが、建設業界の現状です。
※1・・・参照:ハローワーク https://www.hwiroha.com/syokugyoubetsu_yuukou_kyuujinn_bairitsu.html
では、建設業界で慢性的な人手不足に陥っている原因は何でしょうか?離職率の高さや若者から選ばれにくいこと、技術者の高齢化が進んでいること、ニーズは拡大していることなどが原因として挙げられます。詳しく確認していきましょう。
離職率の高さはどの業界でも課題のひとつです。建設業界は特に離職率が大きな課題となっています。
2019年の厚生労働省の調査によると、高卒の3年離職率は全産業で39.2%に対し、建設業は45.3%でした。大卒の3年離職率は全産業32%に対して建設業は27.8%となっています(※2)。
大卒の離職率が低いのは、建設業界の中でも職種による違いが考えられるため、一概に大卒を雇えばよいということではありません。
どの業界でも離職率が高い原因は、長時間労働な上に低賃金であることです。「労働に見合った報酬が得られない」と感じることが、離職の最大の要因となります。特に長時間労働の問題は深刻です。
総務省の労働力調(※3)によると、2020年の建設業の年間平均就業時間は2,32.2時間でした。全産業平均1,810.6時間と比較して200時間も多いという結果が出ています。
また、建設業の場合は転勤や単身赴任などが頻繁に発生することも離職率の高さの一因です。
※2・・・参照:厚生労働省 2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概況 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/20-2/dl/gaikyou.pdf
※3・・・参照:総務省 労働力調査(2020年)https://www.stat.go.jp/data/roudou/rireki/nen/ft/pdf/2020.pdf
一般社団法人日本建設業連合会の調査によると、2020年の建設業就業者のうち29歳以下は11.8%でした。全産業では16.6%となっています。全産業でも若者の割合は低いですが、建設業界の若者離れは深刻です。
若者の人口が減少しているため、他の産業と若者を取り合うことになります。現状のまま若者離れが続くと、建設業は先細りするでしょう。
特に長時間労働は、自分の時間を大切にする今の価値観と合わず、若者に避けられる傾向があります。建設業界に魅力を感じてもらえる就業環境を整えることが喫緊の課題です。
若者離れとは逆に、建設業界で働く人の高齢化が顕著です。建設業で働く65歳以上の割合は、2012年には9.3%でしたが、2020年には17.1%にまで増えています。全体の約2割が高齢人材で占めていると言えます。高齢人材は今後10年以内に退職を迎える人がほとんどです。人手不足に拍車がかかることが予想されています。
先にも紹介した通り、建設業の需要は拡大傾向が続いています。人手が限られている中で需要が増えていることから、人手不足がより強調されているのです。
人手が不足している中で仕事は増えているため、労働時間が長時間化し、休日出勤なども増え、悪循環に陥っています。
人手不足を解消する方法は、労働環境の見直しです。
労働時間の短縮を図り、満足できる給与を支払い、女性が働きやすい職場づくりを心掛けることで、若者に選んでもらえる業界になります。
2024年6月から、時間外労働の上限規制が施行されます。残業時間の上限がこれまでより厳しくなり、違反すると罰則もあります。労働時間の問題は、法律に合わせる形で無理にでも改善されることが予想されますが、逆に労働環境が劣悪になっては意味がありません。
人手不足なのに労働時間の見直しが迫られている状況での解決策は、DX化です。人の手でしかできない作業以外はDX化して、さらに人の作業が効率化できるよう業務効率化システムなどを駆使することで、従来より労働時間を減らせる可能性があります。
ドローンを活用した現場の点検やクラウド上で図面や工程画像を管理するなどの試みが実際に行われています。
たとえば、東光産業では、図面をタブレット端末で共有し、いつでも確認できるようにしています。大量の図面を持ち歩く必要がありません。現場に出る全社員にタブレットを支給しています。
作業日報もWEB上で完結。社員同士でグッドボタンを押せるようなシステムにしており、コメントも書き込めるため、互いに勇気づけることができます。
その日の作業の写真や動画も掲載でき、振り返るときも分かりやすいです。打ち合わせの際も現場・各拠点・各支店をWEBでつないでいます。定期的に進捗状況を交換し合い、一体感を生み出すことに成功しているようです。
また、これまでエクセル管理していた業務をシステム移行して、3割の業務を効率化できたという工務店もあります。
DX化を進めるメリットは、労働時間の課題を解決するだけではありません。若者にも違和感のない労働環境を構築でき、若者に選んでもらいやすくなるでしょう。
建設業界は、需要があり求人も増えています。労働時間の短縮や育児休業などの待遇面についても改善が進んでいる業界です。会社によって差があることも事実ですが、待遇のいい会社に転職するチャンスでもあります。
下記ページでは「もう限界!辞めたい!」と感じているアナタへ、キャリアチェンジを成功させるためのヒントをまとめています。
施工管理士からの転職を考えている方はご参考ください。